PERIODONTAL 歯周病治療

早期に終わらせる

歯周病治療

歯周病とはお口の中の細菌が原因で、歯肉や歯槽骨などに炎症が生じる疾患です。初期段階では「歯肉の腫れ」、「ブラッシング時の出血」などが見られます。この段階でも痛みはほとんどありません。しかし、放置していると細菌によって歯槽骨が溶けて、口臭が強くなったり、歯がぐらぐらしたりと症状が深刻になります。最終的には歯が抜けてしまう方もいらっしゃるので、初期段階で検査・治療を行うことが大切です。

こんな症状があれば
歯周病かもしれません

  • 口臭を指摘された・自分で気になる
  • 歯肉を押すと血や膿が出る
  • 朝起きたら口の中がネバネバする
  • 歯と歯の間に物が詰まりやすい
  • 歯みがき後に、毛先に血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある
  • 歯が浮いたような気がする
  • 歯肉が赤く腫れてきた
  • 歯並びが変わった気がする
  • 歯肉が下がり、歯が長くなった気がする
  • 歯が揺れている気がする

日本臨床歯周病学会より引用

歯周病について

歯周病とは

歯周病はとても怖い病気ということをまず知っていただきたいと思っています。日本国内2000の歯科医院を対象とした調査では、歯を失った原因の第1位は「歯周病」で42%、第2位が「むし歯」で32%。また、40歳以上では5人に4人以上の人が歯周病にかかっていると言われています。
歯周病は歯と歯肉の間に残った歯垢(プラーク)に細菌が住み着くことで引き起こされます。
歯周病もむし歯と同じで、早く治療に取り掛かるほど治りも早く、大切な歯を失ってしまう可能性も少なくなります。

歯周病と全身疾患

歯周病の怖いところはお口の中だけに留まらないところにあります。
心疾患や脳卒中、動脈硬化を引き起こす原因となるなど全身疾患にも大きく関わっていたり、妊婦さんの場合、早産や流産、死産など大きな影響を与える場合もあります。
とくに関係性が強いと言われている症例は以下のものです。

  • 01

    糖尿病

    食事をとったり、ストレスがかかったりすると体の血糖値が上がります。健康な方の場合は膵臓からインスリンが分泌されて、元の健康な値に戻ります。しかし、歯周病の原因菌はインスリンの分泌を抑えてしまうので糖尿病の重症化リスクが高まるのです。

  • 02

    誤嚥性肺炎

    年を取ると、舌や喉の筋力が低下し、食べ物が誤って気管支に入ってしまうことがあります。その際、口の中に細菌が多数棲息していると、肺にまで入り込んでしまい炎症を起こすリスクが高まるのです。これを誤嚥性肺炎と呼び、現在深刻な問題になっています。

  • 03

    早産・低体重児出産

    歯周病菌は体の血管を通って全身に炎症を引き起こします。そして、炎症物質は子宮が刺激し、子宮収縮の原因になることがあるのです。結果的に早産、低体重児出産リスクが高まると言われています。

  • 04

    狭心症・心筋梗塞

    歯周病菌は血管を通って心臓の血管壁に炎症を引き起こすことがあります。繰り返し炎症が起きると、動脈硬化の発症リスクが高まり、狭心症や心筋梗塞など重篤な心疾患に結びつくことがあります。

歯周病の進行

Flow01歯肉炎

歯垢が口腔内に溜まると細菌の影響で歯ぐきに炎症が起こり、赤く腫れるようになります。歯と歯ぐきの間には約2~3mmのすき間(歯周ポケット)が形成されます。


Flow02初期歯周炎

歯肉に炎症を起こしている「歯肉炎」の状態から更に進行すると歯槽骨の崩壊が始まります。これが歯周病の始まりで、軽度の歯周炎の状態です。この状態では歯周ポケットの深さは3~5mmほどです。


Flow03中等度歯周炎

更に歯周炎が進行し、歯根の半分まで歯槽骨が崩壊してしまったような状態が中等度の歯周炎です。炎症がより広がったことで歯がぐらつき始めます。歯周ポケットの深さは4~7mmほど。


Flow04重度歯周炎

重度の歯周炎になると歯根の半分以上歯槽骨が破壊されてしまっています。歯周ポケットは6mm以上と極端に深くなり、歯はぐらぐらの状態に。

当院の歯周病治療

基本的な歯周病治療

  • PMTC(歯のクリーニング)

    歯科医師や歯科衛生士が専門の機器を用いて、徹底的に歯をクリーニングする処置です。 セルフケアで取り除けなかった汚れや歯垢などを除去できるので、確かな予防効果が期待できます。

  • スケーリング・
    ルートプレーニング

    スケーラーと呼ばれる特殊な器具を使って、歯垢や歯石などを取り除く処置がスケーリングです。そしてルートプレーニングは、歯と歯茎の間(歯周ポケット)の汚れを取り除き、歯根表面をツルツルな状態に仕上げることです。両方の施術を併用し、お口の中を細菌の少ない状態にしていきます。

  • ブラッシング指導

    歯の生え方や磨き方は、個々の患者様によって異なります。そのため、歯垢の付きやすさ、付きやすい場所なども個人差がある状況です。そこで歯科衛生士が現状のお口の状態を分析し、一人ひとりに合わせたブラッシング指導をアドバイスいたします。

日本歯周病学会認定医が担当

当院の院長は日本歯周病学会認定医です。歯周病認定医とは、歯周治療を専門的に取り扱うことができる技術と知識を持った歯科医師であると「特定非営利活動法人日本歯周病学会」が認めた資格です。当院では認定医の経験、技術をもとに歯周病治療を行えます。ぜひ歯周病に関してお困りのことがございましたら、安心してご相談ください。

歯周病で骨が溶けてしまったら歯周再生療法

歯周病は前述のとおり歯ぐきから進行し、歯を支える骨、歯周組織を失う病気です。
重度の場合には当院では歯周組織を回復させる、歯周再生療法(エムドゲイン法)をご提案しています。
歯周再生療法(エムドゲイン法)は比較的狭く、そして深く骨が失われてしまっているところに用いられる治療法です。露出してしまった歯根部にエムドゲイン(歯周ポケット6mm以上の歯周炎の治療に使う薬)を塗布します。
治療に使うエムドゲインゲルの主成分である「エナメルマトリックスデリバティブ」は、子供の歯が生えてくる時に重要なタンパク質の一種となっています。

高度な治療技術で対応

歯肉を切開・縫合する外科手術である歯周組織再生療法は非常に専門性の高い治療です。専門的なブラッシングで歯垢を落とし、歯石を除去し、歯周病の改善度を調べた上で行われます。
ほとんどの場合保険外の治療となり、喫煙されている場合は禁煙後の手術を推奨しています。非常にデリケートな治療のため治療前後の徹底した歯磨きの訓練も大切です。

歯周再生療法前の注意点

  • 各種国民保険の対象外です
  • 薬剤の濃度を抑えているため、効果が見られるまで時間がかかります
  • 再生できる骨の量や範囲には個人差があります
  • 口腔内の健康を維持するために、再生治療後は定期的なメインテナンスを必要とします
  • 患者様の持病によっては、エムドゲイン法による治療が難しいケースもございます

治療費について

  • 歯周再生療法(エムドゲイン法)¥55,000

(※税込み費用)

むし歯治療後の
メインテナンスを

お口の中の細菌叢は、どんなにしっかりとケアをしても3ヶ月もすれば元の悪い環境に戻ってしまいます。そのため、自分の歯や歯ぐきを健康的に保つには定期的な歯科医院でのプロフェッショナルメインテナンスが大切。
インプラントや歯周組織再生療法、矯正治療などの治療を終えたら今度は「歯周病にならない」「むし歯にならない」ためのメインテナンスプログラムに切り替えて行きましょう。
歯周病治療のプロフェッショナルである歯科医師や歯科衛生士の手によって、患者様のお口の中をしっかりとチェックしメインテナンスを行うことで歯周病の原因となる細菌の少ない口腔内を目指します。「治療」から「予防」に切り替えていくことで歯を失う可能性を根本から断つことが可能になるのです。

予防歯科
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